芸術は心のごはん🍚

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アニメ「家なき子」ビタリス師匠魂 〜前へ進めじゃ!〜

皆さん、こんにちは。今日は、アニメ(1977年10月〜テレビ放送)の

家なき子について、書かせて頂きたいと思います。

私が、一番敬愛するアニメ監督、出崎統監督の作品です。

実を言いますと、私はこのアニメの事を書く事も、ブログを始めた、大きな一つの理由なのです。とにかく、私にとって、特別なアニメです。

 

先日、原作本について書かせて頂きましたが、私は最初に、このアニメで「家なき子」の物語を知りました。数十年前に初めて観て以来、何度も繰り返し観ている、私にとって、昔ながらの、大事な人生のバイブル的作品の一つです。

とても美しく、説得力のある映像、脚本、キャラクター設定、美術、音楽、全てが素晴らしいと、私は思います。そして、宇野重吉さんのナレーションも、私は大好きなのです。

 

私は子供の頃、アニメに出会い、大人になってから、原作を読みました。それは、大事な事だと思ったからです。出崎監督の、原作への深い理解、敬意、愛情がすごく伝わってきますし、その物語に、監督にしかできないプラスαな演出やエピソードを、加えてくださっていると思います。

これは、私の勝手な推測ですが、監督が、あえて原作と少し変更したんじゃないかと思う、諸々の部分的ストーリーやキャラクター設定も、私はとても好きです。

私は、原作のマチアも好きですが、アニメの元気で強くてユーモラスなマチアが、より好きです。そしてジョリクールという猿の死の場面も、胸を打たれます。最終話の、レミとマチアの決断も、私は好きです。

原作では、レミが物語を語る一人称ですが、アニメでは、宇野重吉さんによって、男らしい暖かさと冷静さをもって、ナレーションが語られます。その代わり(?)予告のナレーションは、レミ自身(声優:菅谷政子さん)によって紹介されます。

 

物語の中盤で、不幸が重なり、ビタリスはレミを命がけで守り、亡くなってしまいます。それ以降も物語は、波乱万丈に続くのですが、死後においても、レミの精神的拠り所となり続けるビタリス「おっしょさん」が、素晴らしいと思います。

その偉大な存在感は、最終話のラストシーンに至るまで、ずっと、レミたちと、私たち視聴者の心を支え続けてくれるのです。

 

私は、このアニメと出会えた事で、体裁や、見栄のような感情ぬきで、それでも、「いつか結婚し、育児というものに挑戦してみたい 」という、自分の素直な欲求に気づく事が出来たと思います。(プチダノンCMもですが)

 

幸運にも、私はその希望を叶える事ができました。

劇中の、母親としての代表のような、バルブランママ・ミリガン夫人にも、もちろん憧れます。子供達を包み込むような温かい優しさ、女性らしい強さを感じます。

 

私は、劇中のビタリス師匠を通して、「父性とは、このようなものなのだろうか?」と感じました。そして、ビタリス師匠は、おっしょさんとしても素晴らしい人でした。

それと対照的な人物として、「ガロフォリ親方」が登場します。

 

私は、シンプルに考えて、

「ビタリス師匠」弟子の健やかな成長と、その子の幸せな未来のために、助言、尽力できる師匠。

「ガロフォリ親方」弟子を自分の所有物、自分の生活のための道具としか考えていない師匠。

ではないかと、感じています。

 

この物語で、私が一番好きで、憧れるのは、おそらく「ビタリスおっしょさん」です。

女なのに、何でかな?と、思っていた時期もありましたが、今は、「ビタリス師匠」が、優れた芸術と、過酷な人生において、優れた師匠だからなのかな・・・と、感じています。

 


家なき子 オープニング

 

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