芸術は心のごはん🍚

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映画「セント・オブ・ウーマン/夢の香り」について 〜もう一つのポル・ウナ・カベサ〜

皆様、9月に入りましたが、いかがお過ごしでしょうか?

私は、少々夏バテ気味です。

 

前々回の記事で、浅田真央ちゃんの名エキシビション・プログラム「ポル・ウナ・カベサ」と、この曲にまつわる思い出の映画「トウルー・ライズ」について、書かせて頂きました。 

が、 

もう一つ、この曲が印象深い映画について、ずっと気になっていました。

アル・パチーノ主演の「セント・オブ・ウーマン/夢の香り」です。

 

私は、まだ、この映画を観た事がなかったので、最近、DVDを購入し、ようやく観る事ができました。

鑑賞後一番の感想は、

 

「なんで私、これ、映画館で観なかったのよ!!!」

 

です。

それぞれの問題を抱えた、若者と年長の男性とが偶然出会い、師弟のような、親子のような、親友のような絆を徐々に深めていき、絶望から立ち直っていく「ヒューマン・ドラマ」

私がおそらく、もっとも好きなジャンルの映画でした。

  

そんな訳で、リアル・タイムで観なかった理由について、その当時の記憶を手繰り寄せて、考えてみました。

そして気がつきました。

この映画が公開された1992年(日本公開は1993年)頃は、私にとって、個人的・精神的に、一番どん底だった時代でした。おそらく、大好きな映画も観に行く気力もないほどに。

 

そんな訳で私は、1992年の「セント・オブ・ウーマン」を観そこね、1994年の「トウルー・ライズ」は、映画館に観に行ったんだと思います。

基本的に、単純・ミーハーな私は、痛快な「アクション・コメディ」も好きなのですが、やはり、一番好きなジャンルは、「人間ドラマ」だと思います。

 

1992年

「セント・オブ・ウーマン/夢の香り」

監督   マーティン・ブレスト

脚本   ボー・ゴールドマン

原作   ジョヴァンニ・アルビーノ

音楽   トーマス・ニューマン

 

キャスト 

 フランク    アル・パチーノ

チャーリー   クリス・オドネル

トラスク校長  ジェームズ・レブホーン

ドナ      ガブリエル・アンヴォー

 

元陸軍中佐のフランクは、事故で失明して退役後、姪の家の離れに住んでいる。

裕福な家庭の子息ばかりの全寮制名門高校において、奨学金で学んでいる苦学生チャーリーは、休暇に帰郷する旅費を稼ぐため、アルバイトとして、姪家族の旅行中、フランクのお世話係りをする事になる。

しかし感謝祭前のある晩、チャーリーは、裕福な学友と共に、他の友人たちが校長の新車ジャガーにいたずらしているところを目撃してしまう。

プライドを傷つけられた校長は、チャーリーにだけ、「休暇明けに犯人の名を言えば、ハーバード大への道を用意するが、言わなければ本校を退学させる」という、ある意味での脅しをかける。

窮地に立たされつつ、アルバイトにやってきたチャーリーをつれて、フランクは、予てから密かに計画していた、ニューヨーク旅行へと旅立つ。

摩天楼の街、高級ホテル、高級レストランへと、身一つで同行させられたチャーリーは、ニューヨークの華やかさと、フランクの豪遊ぶりに呆然とするが・・・

 

元軍人としての誇りを持ち、酒と女とフェラーリを愛し、目以外の鋭い感覚によって、周りの人間の容姿や人柄を察知してしまうフランク。

特に女性から漂う香りとその気配、言葉のニュアンスなどで、その女性の魅力を理解してしまいます。

 若者チャーリーは、フランクの厳しくも優しく、有能でウィットに富んだ人柄に、フランクは、チャーリーの素直な優しさや真摯さに惹かれ、そしてお互いの抱える心の闇を知り、理解していきます。

 

この映画の名シーンとして有名なのが、高級レストランで、偶然知り合ったドナ(ガブリエル・アンヴォー)を、フランクが誘って踊る、タンゴのシーンです。 

 


Al Pacino - Scent of a Woman Tango Scene

 

ガブリエル・アンヴォーさんの、清楚で可憐で、洗練された美しさと、彼女を優しくリードする、アル・パチーノさんの踊りが素晴らしいです。 

 

チャーリーによって、絶望から救われたフランク。旅から帰り、チャーリーは、学校という戦場に戻っていくのですが・・・

チャーリーとフランク二人のラストシーン、特にフランクのスピーチは、とても感動的です。

 

セント・オブ・ウーマン/夢の香り [DVD]

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