芸術は心のごはん🍚

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樋口一葉「たけくらべ」の内容 その二 〜 彼もとても繊細 〜

こんにちは。

続いて「たけくらべ」の私なりの要約です。

 

7 育英舎での、信如と美登利の情景

 

二人とも育英舎という学校に通っています。

その年の4月末(話が夏から、その年の若葉の頃に戻る)大運動会がありました。

つな引き・鞠なげ・縄とびなどの種目に、日の暮れるのも忘れて夢中になっていた時、信如は池のほとりの松の根につまずき、地面に手をついて、羽織の袂も泥まみれになってしまいます。

居合わせた美登利が、見かねてハンケチを差し出すも、学友たちが二人を冷やかします。

元来、そうした冷やかしを、するのも受けるのもとことん嫌な信如。以来、利発だが繊細で不器用(?)な信如は、内心は惹かれつつも、美登利を避けるようになります。

無邪気な美登利は、初めは藤本さん藤本さんと親しく話しかけたり、学校からの帰り道、後から来る信如を待っていて、美しい花が咲いているのに私では手が届かないから、かわりに枝を折ってくださいな、年上だし(乙女な口実?)・・などとお願いをしました。

(優しいけど内気で不器用な)信如は、今度ばかりは無視できなかったものの、よく見もせずに手近の枝を折り、投げつけるようにして、すたすたと行ってしまいます。

流石の美登利も、信如の、自分に対してだけの、つっけんどんな行動に気づき、傷つき、怒り、悲しみます。その様にして、美登利の方からも、信如に近づかなくなり、二人の間には、大きな川が流れているような状況になったのでした。

 

その後の、夏祭りの夜に、長吉たちから屈辱を受けた美登利。

「横町組」と「表町組」のいがみ合いへの疑問、女である自分の無力さ、長吉の卑怯さ、彼の後押しをした信如への怒りを募らせる美登利。

自分には人気花魁の姉があり、その馴染みの上客(?)の皆々様もいて、両親もある、大黒屋(美登利たちが住む寮)の旦那様からも、自分は叱られたことはない、

長吉ぶぜいに引けを取る身ではない

龍華寺の坊様にいじめられるのは心外

と思い、以来学校へ通う事をやめ、勉強への興味も失せ、仲の良い友達とだけ遊ぶようになったのでした。

 

という訳で・・・

もうですね、

いじらしいやら

可愛いやら

切ないやらで・・今回は、この章だけで燃え尽きました。

 

今日の要約中の、心のBGMは、佐野元春さんの、こちらの曲でした。


佐野元春: 彼女はデリケート (1993.10.17 渋谷Street Live)

 

しー(美登利) そー(とても) デリケート!! も、そうなのですが、

個人的には

ひー(信如の方が) そー(よっぽど) デリケート!!!

 

 と思った、木曜日の夜更けでした💦

 

やはり、参考にした文献は、こちらの2冊です。 

にごりえ・たけくらべ (新潮文庫)

にごりえ・たけくらべ (新潮文庫)

 
たけくらべ 現代語訳・樋口一葉 (河出文庫)

たけくらべ 現代語訳・樋口一葉 (河出文庫)

 

 

ありがとうございます。