芸術は心のごはん🍚

映画・小説・漫画・アニメ・音楽の感想、紹介文などを書いています。

樋口一葉『大つごもり』解説  〜 その3 〜

こんにちは。

 

前回の続きを書きます。

いろいろ考えまして、今回だけは少し要約的に書いていこうと思います。

かなり原文を省略しました。

 

樋口一葉『大つごもり』   その3 

 

 お峯の伯父は正直安兵衛と呼ばれるほど、実直に八百屋の商売を長年続けていた。

 七歳で父親を亡くし、その二年後に母も亡くしたお峯を引きとって育て上げ、現在は、八歳になる息子の三之助を、近所の学校へ通わせてもいたのだが…今は一家三人で長屋に暮らしていた。

 

 その引越し先を知らないお峯は、人力車から降りても方向が分からず、ウロウロしていた。子供が集まっている駄菓子屋の前に来て、

 

(もしかしたら三之助がいるかも…)

 

と思って覗いてみたが、それらしき姿はなかった。がっかりして通りを見ると、痩せて背の高い子供が薬瓶を持って歩いていく。似たところがあると思い、駆け寄って顔を覗くと、やはり三之助であった。

 

「やあ、姉さん!」

「ああ、やっぱり三ちゃんだったのね!」

 

と、喜び合い、三之助の案内で、ようやくお峯は伯父のところへたどり着いた。三之助が、

 

「父さん、母さん、姉さんを連れて帰ったよ!」

 

と、玄関から呼びかけた。

 

「何、お峯が来てくれたのか?」

 

と、安兵衛が起き上がると、伯母は熱心にやっていた内職の手を休めて、

 

「まあまあ、これは珍しい!」

 

と、お峯の手を取って喜んだ。

 

「おじさん、おばさん、なかなか来れずに、ごめんなさい。今日は何とかお暇を頂けたので参りました。おじさん、早く元気になってくださいね。あんまり急いで来たので、何も買ってこれませんでした。

これは少ないですけれど…お見舞金です。勤め先のお宅は厳しいけれど…外からのお客様が良くして下さいます。私は何とか、やっていますから、心配しないで下さいね」

 

お峯は、弟の様に可愛くて仕方がない三之助を、

「三ちゃん、ここにおいで」

と近くに呼んで、その背中をなで、幼い顔を覗きながら言った。

「三ちゃん、お正月も近い事だし、姉さんが何か買ってあげますよ。学校はどう?」

 

すると安兵衛が言った。

 

「お峯聞いてくれ。三之助は、歳はまだ八歳だけれど、体も大きいし力もあって、家の手伝いもよくしてくれている。この子の事を、お峯、どうか褒めてやっておくれ」

 

「学校の勉強も大好きで、自慢じゃあないが、先生様にもよく褒められる。今は十分勉強もさせてやれないし…まだ幼い子供に不自由をさせてしまい、親として本当に苦しいよ」

と、伯母もつい本音を口にした。

 

お峯は思わず三之助を抱きしめて言った。

 

「大柄と言っても八歳は八歳。体は大丈夫なの?私は何も知らなくて、堪忍してくださいね。学校盛りの弟に辛い思いをさせて…姉が温かい着物を着ていられましょうか!やはり私が奉公先をやめて…」

 

すると安兵衛は

 

「気持ちは嬉しいけれど、残念だが山村のご主人には、給金の前借りもあるから、お前がすぐにやめて帰る事もできないんだよ。それに、初奉公は肝心だよ。辛抱できずに戻ったと思われても良くないから、どうか頑張って努めてくれ。

なに、俺の加減も時期に良くなるさ。ああ、師走のあと半月さえ無事に過ぎれば、きっと新年は良い事もきっとあるだろうさ…さあ、大した物はないが、お前の好物の今川焼き、里芋の煮っ転がしを、たくさん食べろよ」

 

と言われ、お峯は嬉しさ半分。伯父一家の実情を見て胸が痛んだ。

 

「一生懸命暮らしていても、我が家はこのありさま。その一方では、お峯ちゃんのご主人方は貸し長屋を何軒も持っていて、たいそう裕福に暮らしている様だねえ。羨ましい。言いにくいのだけれど、うちは晦日までに払わなければならないお金が二両いるのだよ。お峯ちゃん、どうにかご主人に二両の前借りをお願いできないものかねえ」

 

と、伯母が言い出した。お峯はしばらく思案してから言った。

 

「分かりました、お給料の前借りという事で、一度、お願いしてみます。それで、このお家が無事に大晦日を迎えられるなら…ご主人も、訳をちゃんと説明すれば、承知してくださるかもしれません。そうと決まれば怒られない様に、今日は私はこれで帰ります。次のお暇は春にでも…その頃には、みんなで笑って過ごしたいですものね」

 

とお峯は言った。

 

「お金はどうやって届けられるかね?三之助を使いにやろうか?」

 

と聞かれ、

 

「本当に、それでようございます。いつも忙しい上に、大晦日となれば、もっと私は出かけられないと思います。道が遠くてかわいそうだけれども、三ちゃんを頼みます。昼の間には必ず支度はして置きます」

 

と言って、お峯は急いで帰っていったのだった。

 

 

原作では、物語は 上・下 に分かれています。

そして、ここまでが 上 の お話で、

次回からが 下段 のお話になります。

 

 

参考文献はこちらです。

 

 

今日はここまでに致します。

お付き合いありがとうございました。

 

樋口一葉『大つごもり』私なりの現代語訳  〜 その2 〜

こんにちは。

 

前回の続きを失礼します。

 

樋口一葉『大つごもり』私なりの現代語訳  その2 

 

 秋ごろから、お峯のたった一人の伯父が病気になっていた。

 

 伯父は、商売の八百屋の店もいつの間にか閉じて、同じ町内ながらも、裏屋住まいになっている事は聞いているのだけれど…

 何しろ厳しい主人の下で雇われている身だから、お給料の前借りなどすれば、この身は売ったも同然。

 

(せめてお見舞いに行きたいのですが…)

 

 と、お願いする事もできない状況なので心苦しい。お使い先のちょっとの間すらも、時計を気にしなければならず、少しでも遅れれば

 

「 いったい、どこまで何しに行ってたんだい?」

 

と、その追求はいつも厳しい。

 

(急いで、無理にでも行ってしまえば…)

 

とも思うけれど、悪事千里(悪い事をすれば、すぐに知れ渡るという事)と言うし、せっかくの今までの我慢苦労を水の泡にして、お暇とでもなったら、ますます病人の伯父に心配をかけるだけだろう。貧しい一家に、一日でも迷惑をかけるのも申し訳ない。そんな訳で、

 

(そのうちには…)

 

と、手紙ばかりは出していても、身はここから離れる事ができず、仕方なしに日々を送っていたのだった。

 

                    ※

 

 師走の月で世間全体が慌ただしい中なのに、わざわざ選んだ様に着飾って

 

「おととい、どちらも始まったと聞いている噂の芝居も狂言も、どちらも面白い新作だそうよ!これを見逃したら大変だわ!」

 

と、山村家の娘たちが騒ぐので、

 

「芝居狂言見物は、十五日と決めた。家中みんなで出かけるよ!」

 

との、珍しいおふれが出た。

 こうしたお出かけのお供は、いつもなら嬉しいはずなのだが、親亡き後は親代わりである、大切な伯父のお見舞いもせずに、お峯は遊びに出歩く気にもなれない。

 

(奥様のご機嫌を損ねたら、それまでだけど…)

 

と思いつつ、お峯は思い切って

 

「遊びの代わりに、少しお暇を頂けませんでしょうか?」

 

と願い出てみた。すると、流石に日頃の勤めぶりが功を奏したのか、次の次の日に

 

「早くいって早く帰ってきなさいよ!」

 

と、奥様が言った。さてもまあ、気まぐれな仰せなので

 

「ありがとうございます!」

 

と、言ったかどうかも覚えていないほどに急いで、気がつけば人力車に乗っていて

 

(小石川はまだかしら…)

 

と、じれったく思うお峯であった。

 

 

参考文献はこちらです。

 

 

 

今回はここまでに致します。

お付き合いありがとうございました。

 

 

 

樋口一葉『大つごもり 』私なりの現代語訳  〜 その1 〜

こんにちは。

 

11月も2週目ですね。皆様いかがお過ごしでしょうか?

 

私は以前、樋口一葉さんの『たけくらべ』の現代語訳に挑戦しました。

 

今回は、もうすぐ師走なので

『大つごもり』(大晦日の意味)の自分なりの現代語訳をやってみようと思いました。

こちらは、現代語訳を読んでいないのですが、自分なりにやってみようと思いました。

 

 

お金持ちの家に、女中として奉公する事になった少女、お峯。厳しい寒さと厳しい仕事に、健気に耐えて暮らしています。

 

樋口一葉さんの作品は、悲しい物語が多いのですが、個人的に『たけくらべ』と『大つごもり』だけは、100%悲しいだけのお話ではないと思いました。

 

少しづつ、やっていきます。

 

 

 

樋口一葉『大つごもり』 私なりの現代語訳

 

 お峯の奉公先、山村家の井戸は車で、綱の長さは二十二メートルくらいもある。台所は北向きなので、師走の空のから風が、ひゅうひゅうと吹き抜ける寒いところだ。

(おお耐え難い)

と、お峯は、かまどの前で体を火にあてる一分が、ついつい延びてしまうのだが、たき木くらいの事でも、大ごとにされて叱り飛ばされてしまう女中の身は辛いもの。

 最初、受宿(働き口の世話をする所)のおば様のお話によると

「そのお宅のお子様方は、男女六人。けれども、常にお家にいらっしゃるのは、御惣領と末のお二人だけ。

 御新造(奥様)は機嫌が変わりやすいお人だけれど、目色顔色を呑み込んでしまえば大した事もないよ。結局、おだてに乗るたちだから、お前の出方次第で、着物、半えり半がけ、前垂(前かけ)の紐にも不自由はしないだろう。

 財産は町内で一番で、そのかわりに、ケチな事でも二番目には下がらないね。けれども、有難い事に、大旦那様が甘い方だからね、少しの貯金くらい、出来ない事はないだろう。

 嫌になったら、私の所まで葉書一枚送れば良い。細かい事は書かなくてもいいよ。他の働き口を探せと言う事になったら、足は惜しまないよ。どの道、奉公の秘訣は、裏表を使い分ける事だよ!」

と、言う事だった。

(なんとまあ、恐ろしい事を言う人だ)と思ったけれども、

(何も自分の本心では、またこの人のお世話には絶対になりたくはないわ!勤めを大事にして、一生懸命頑張れば、きっと、奉公先のお気に入らない事も無いはず…)

と決心した結果…その様な鬼の主人を持つ事になったのだった。

 

           ※

 

 

 奉公先の山村家にご挨拶が済み、お峯が働き始めた三日後の事。

 

「今日は七歳になる娘の、踊りの発表会が午後からあるからね!その支度のために、娘を朝風呂に入れて、磨き上げてちょうだい!」

 

と、霜が凍る寒い明け方に、暖かい寝床の中から、奥様が灰吹きを叩いてこう言ったのだ。

 

「ほら、ほら!」

 

と、お峯には、その言葉が目覚まし時計の音よりも胸に響いたので、三回目とは呼ばれない間に、着物の帯を締めるよりも先に、袖のタスキ上げをするほど、急いで支度をした。

 井戸端に出てみると、まだ月影が流しの水に写って(夜が明けきっていない)おり、お峯は肌を刺すような風の寒さのために、さっきまで見ていた夢をも忘れてしまった。

 

 (風呂はかま風呂なので、大きくは無いけれど…)

 

 二つの手桶に、溢れるほど汲んで、十三回は水を入れなければならない。大汗をかきながら運んでいるうちに、竹製の粗末で硬い鼻緒で、歯が歪んでいる水場用下駄の鼻緒がゆるゆるで、指を浮かさなければ脱げてしまいそう。その下駄を履いて重い物を持っていたので、足元がおぼつかなく、流し場の氷に滑り、

(あれ!)

と言うまもなく横に転び、井戸の側で向こう脛をしたたかに打った。そしてお峯の、雪も恥じらう美しい白い肌が、生々しい紫色になってしまった。

 手桶もそこに投げ出されてしまい、一つは無事だったが、もう一つは底が抜けてしまった。この桶の値段がどれくらいなのか知らないけれども、家の全財産が、これのために潰れるかの様に、奥様の額際に立った青筋が恐ろしい。その後、朝ご飯のお給仕の時から睨まれて、その日は一日口を聞いてもらえなかった。

 それからは、お峯の、いちいちの動作に

 

「この家にある物は無代(ただ)では出来ていませんから、主人の物だと思って粗末に思ったら、バチが当たりますよ!」

 

と、延々とお説教が続くのだった。来客の人がある度に、そうした事を告げ口される事も、お峯の若い心には恥ずかしかったので、その後には、物事には念を入れて気をつける様になり、とうとう失敗をしない様になったのだった。

 

「世間には女中を使う人は多いけれども、山村家ほど、女中が替わる家は無いだろう。月に二人替わる事は当たり前。三、四日で帰る者もあれば、一晩居て逃げ出す者もある。山村家開闢以来を調べたら、折る指が足りな位だろうと、あのおかみさんの袖口を想像してしまうよ。

 思えばお峯は辛抱者だね。あの娘に酷く当たったら立ちどころに天罰が当たるだろう。その後は、東京広しといえども、山村の女中になるものはないだろうよ。感心なものだ。見事な心がけだ」

 

と、褒める人もあれば、

 

「第一、器量が申し分無しだ!」

 

と、男たちは直ぐに、これを口にするのだった。

 

 

参考文献はこちらです。

 

 

今回は、ここまでに致します。

 

なんだか、シ○デ○ラのような展開になってきましたが💦

 

 

お付き合い、ありがとうございました。

 

村上春樹さんの『海辺のカフカ』を聞きました 〜 木村佳乃さんの朗読 〜

こんにちは。

 

10月も明日で終わりですが、皆様いかがお過ごしでしょうか?

 

最近、こちらの小説の朗読を聴き終りました。

 

ちょうど20年前位だと思うのですが、この本が新刊として出版されてすぐに、私は購読しました。

村上春樹さんの作品で、私が購読した作品は、こちらが2作目でした。

 

個人的に、その後の人生を、どう進んでいったらいいか全くわからない時代でした。

 

当時も完読したものの、時間的にも心にも余裕がなかったためか、世間知らずだったためか、私は物語を深く読み込むことができていませんでした。

 

なので、今回、朗読で聞くことができ、本当に良かったと思います。

木村佳乃さんの朗読が、素晴らしいです。

 

20年前に読んだ時は、田村カフカくん大島さんの印象が強かったのですが、

今回の朗読で、印象深かったのは、 ナカタさんホシノさんでした。

 

この二人のセリフのやり取りの朗読が、聞いていて、とても楽しかったのです。

木村佳乃さんの ナカタさん のセリフ ホシノさん のセリフに、聞き入ってしまいました。

 

ナカタさんの 「はい、ナカタは・・」

ホシノさんの 「俺っちは・・」

 

が、とても楽しくて、今回、この二人の登場人物の事が大好きになりました。

 

今夜は、こちらのラジオも楽しみです。

www.tfm.co.jp

 

ありがとうございます。

映画『劇場版おいしい給食 🌸卒業🌸』を…ついに完食もとい鑑賞🙏 〜 はなむけの… 〜  

こんにちは!

 

だいぶ寒くなってきましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか?

 

私は何やかやと、心配事、雑事に追われています。

 

そんな訳で、笑いのエネチャージを欲していました。

そんな訳で、ダメ元で、

こちらの映画が、もう観れるかなあ?(ドキドキ)

と、検索してみると、有料視聴ができるようになっていました🎉

映画館に観に行く事を、悩みに悩んだ挙句、諦めていた私。

迷いなく「ポチッとな」しました。

 

 

 


www.youtube.com

 

あまりネタバレしないように、少し感想を書きます。

 

『おいしい給食』は、やはり『おいしい給食』 でした💦

 

個人的には、中盤くらいで、ちょっと辛い展開になったりもしたのですが💦

 

甘利田先生の給食前・ダンス・エクササイズ(?)と完食後パフォーマンス(?)は健在で、観ているこちらのテンションも、心地よく上げてくれます。

甘利田先生、本当にありがとうございます。

 

神野くんの給食アレンジも、相変わらずの凄さというか…

 

うまそげ

 

でした。

 

 

今回の劇場版には、駄菓子屋のシーンもあり、そちらも楽しい見どころの一つです。

私は、駄菓子屋のおばさんが大好きなんです。

いつもながら厳しいのですが、言葉に説得力があります💦

 

後、ドラマ・シーズン1からそうだったと思うのですが、

笑いの中にも、リアルな学校問題・給食問題も描いてくれている様に思いました。

 

今回の映画に初めて登場する、給食センターの職員の方がいます。

 

映画ラストの方で明かされる、その方の体験談を知って、私は

 

自分もそうだったな〜

 

と、しみじみ思いました。

 

ラストの数分間、私は、さめざめと泣きました。

まさか『おいしい給食』で泣く日が来るとは思っていませんでした。

 

自分の中学卒業時の事も思い出されました。

 

卒業前、ラスト給食メニューは、本当にラストに相応しい

ワクワクメニューでした🥄

 

宗方先生、学校給食の職員の方、クラスの子供たちも、みんなチャーミングで、可愛かったです。

 

日本中の子供たちが『おいしい昼食』を、楽しく 食べれる事を、私も願っています。

 

 

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ありがとうございました🍀

 

ディケンズの小説『大いなる遺産』について 

こんにちは!

10月も半ばですが、皆様いかがお過ごしでしょうか?

 

今回は、ディケンズ作『大いなる遺産』の原作について、少し書きます。

 

 

 

 

【あらすじ】

 

幼くして両親を亡くしたピップ少年は、貧しい鍛冶屋の義兄と実姉に養われていた。

実姉は厳格で意地悪だが、義兄のジョーはピップに常に優しく、唯一気を許せる保護者であり親友の様な存在。

 

ある日、墓場で脱獄囚に遭遇し、脅されたピップ。彼は家からヤスリと食物を盗み出し、男に渡した。しかし囚人は警察に見つかり、再び捕らえられてしまう。

 

それから、ある日、ピップは財産家のミス・ハビシャムから館に招かれ、養女エステラの遊び相手になるよう要求される。

ミス・ハビシャムは結婚式当日に婚約者から裏切られて以来、花嫁衣装のまま屋敷に閉じこもって暮らしている女性。

彼女はエステラにピップの心を弄ぶ様に仕向ける。ピップは彼女たちの館「サティス(満足)荘」と鍛冶屋の暮らしを行き来する中で、貧しさや無教養を恥じ、苦しむ様になる。

そうした暮らしの中で、ピップはエステラに相応しい人物になれるよう、ミス・ハビシャムが援助してくれる事を密かに期待していた。

しかし、ミス・ハビシャムに招かれてジョーとピップが館を訪れると、彼女は二人に、ピップが鍛冶屋になるための徒弟資金を与えただけだった。その上、もう明日からは館に来なくても良いと言われ、ピップは落胆する。

 

数年後、鍛冶屋の徒弟として働き、青年となったピップの元に、ロンドンの弁護士ジャガーズが訪ねてくる。

ジャガーズは、ピップが匿名の人物から遺産の相続人に指定されたと告げる。

 

突然与えられた可能性により、希望と野心、エステラへの愛を再び燃え上がらせるピップ。

そして被相続人の希望により、紳士となるべく、ロンドンでの生活を始めるのだった・・・

 

 

私は、1998年版の映画を観てから原作を読みました。

映画、ドラマ、複数ありますので、原作をこれから読む方は、

どれか映像で見てから、本を読むと、よりわかりやすいかもしれません。

 

 

 

今回のBGMは、こちらの曲です。

ロンドン生活で同居する事になり、無二の親友となるハーバートは、ピップの事を

ヘンデル

と言う愛称で呼ぶ様になります。それはヘンデル作曲の『調子の良い鍛冶屋』と言う曲を思い出しての事でした。

調子の良い鍛冶屋: オーボエ、ファゴットとチェンバロのための変奏曲

調子の良い鍛冶屋: オーボエ、ファゴットとチェンバロのための変奏曲

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  •  

 

関連過去記事は、こちらです。

obachantoarts.hatenablog.jp

 

 

obachantoarts.hatenablog.jp

 

天候が不安定ですが、皆様ご自愛ください。🍀

熊川哲也氏『カルメン』DVD を鑑賞しました🌹  ✨ビバ! K-BALLET COMPANY ✨

こんにちは!

 

10月になり、秋ですね。

 

スポーツ・芸術の秋 と思いまして、こちらのDVDについて少し書きます。

 

 

 

今年の真夏のある夜、こちらのYouTubeを見つけて、試聴してしまいました。

運命の出会いでした。

 

熊川哲也さんの『カルメン』(2014年)舞台のハイライト動画でした。


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バレエ好きの私。

これ観ちゃったら、全部観たくなってしまいました。

 

と言うわけで、夏休み中、どこにも遊びに行かない代わりに・・・と、

思い切ってDVDを購入したのでした。

 

視聴後、感想です。

 

熊川哲也さん

なんて 

素晴らしい方 なのでしょう!!!!!!!

 

演出・振付 熊川哲也

 

DVDでは、ドン・ホセ役も・・・

 

もうもうもうもう(牛になるしか無い💦)素晴らしい舞台でした🌹

 

美しい

面白い

わかりやすい

 

そして、インタビュー映像でのコメントにも、励まされました✨

 

熊川哲也さん、素晴らしい作品をありがとうございます。

 

人生挫けそうになったら、こちらのDVD観ます💦

 

私が個人的に好きなシーンは、

 

ホセ が カルメン に

🌹 と 縄 で 弄ばれる(?)踊りです💦

 

熊川哲也さん、Kバレエカンパニーを作ってくださり、本当にありがとうございます✨

 

皆様、寒暖差厳しいですが、ご自愛下さい🍀

『ユーミン万歳!〜松任谷由実50周年記念ベストアルバム〜』 〜🎁発売おめでとうございます💐〜

こんにちは!

 

10月に入り、寒暖差が気になる気候ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか?

 

私にとって今日は、待ちに待ったこちらのベストアルバムのリリース日です✨

 

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ユーミンさま、50周年、本当におめでとうございます✨

本当にすごいです!!

すごい偉業だと思います。

 

私のユーミンデビュー曲は、小5の時に発売された

『昨晩お会いしましょう』の『守ってあげたい』でした。

うろ覚えですが、このアルバムは 秋 にリリースされたと言うイメージがあります。

 

私は本当に、ユーミンソングが、皆大好きです。

 

守ってあげたい

守ってあげたい

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この曲を聴くと、私は幼い頃、故郷の土手で、日暮れまで遊んだ時の事を思い出します。

私の場合は、蓮華ではなく、シロツメクサだった様な気がするのですが、冠に編んで作った記憶が蘇ります。

 

ユーミンさま、本当にいつもありがとうございます✨

 

ご自愛ください🍀

 

 

 

映画『大いなる遺産(1998年版)』について  ☘️エメラルド・グリーンの夢⛲️と『べサメ・ムーチョ』☘️

こんにちは。

 

最近、Amazon prime で、古典文学の映画やドラマをいくつか観ました。

なので、今回はこちらの作品について、数回かけて記事にしたいと思います。

 

ずっと書きたかったのです。こちらの作品について。

 

 

 

 

今回はこちら、1998年版 映画について、少し書きます。

 

 


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私はこの映画を90年代末に観て、大きな衝撃を受けました。

その後すぐ原作文庫を購読しました。

 

19世紀の原作を、20世紀末のアメリカを舞台にアレンジしたストーリー展開です。

 

主人公少年が絵の才能の持ち主で、画家としての才能を世に出すために、謎の人物が出資してくれる事に・・・というこの映画独自の設定も、私は好きです。

 

1998年版映画のストーリーは、原作の複雑さが程よくシンプルになっている様に思います。その分、映像美や場面、役者さんの演技やセリフのインパクトが魅力的な映画だと思います。

 

アルフォンソ・キュアロン監督が、グリーンをキー・カラーとして作り上げた映画なのだそうです。

 

映画のシーンに散りばめられたグリーンが美しいです。

キャストの皆さんも、とても魅力的です。

 

主人公のフィン役のイーサン・ホークさんは、私は同い年でもあり、彼がスクリーン・デビューした時から、ずっと大好きな役者さんです。

 

エステラ役のグィネス・パルトロウさんの神秘的・都会的な美しさに、同性の私も目が釘付けになります。

 

アン・バンクロフトさん、ロバート・デ・ニーロさんの存在感・インパクトもすごいです。

 

私は、バンクロフトさん登場の、こちらのシーンが、あまりにも印象的で、

この映画の事を考えると、自動的に「べサメ・ムーチョ」の曲が思い出されます。

 

改めて観て、

 

ミス・ハビシャムが、二人を引き合わせもし、苦しめてもいたのだなあ・・

 

と、つくづく思ってしまいました。

 


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と言うわけで、私にとって、この映画といえば、この曲・・と言うイメージなので

 


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Besame Mucho

Besame Mucho

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ベッサメ(キスして)

べサメ(キスして) 

ムーチョ(たくさん)

 

と言う意味なのだそうです。昨日、調べて、初めて知りました。

 

 

取り止めのない記事で失礼しました。

 

皆様、ご自愛ください🍀

映画『耳をすませば』について  📚 帰りたい 帰れない🎻

こんにちは!

 

先ほど、録画していた、こちらのアニメ映画を久しぶりに視聴しました。

 

耳をすませば [DVD]

 

私はこの映画を確か25歳の時に映画館で見ました。

お見合い相手と一緒に観ました。

 

相手の方の都合で、自分の地元から離れた市の映画館で観ました。

 

映画館で見た時も思ったのですが、この映画のラストシーンを見ると、いつもこんなことを考えてしまいます。

 

15歳で結婚を決意できる男子って本当にいるのかな?

 

この映画が見たいと希望したのは私だったので、

25歳の私は、ラストシーンを見てかなり焦ってしまい、年上のお見合い相手の男性にこう言ったんです。

 

「子供っぽい映画に付き合わせてしまって、すみませんでした」

 

そんなことを言いながら、実際、私はそれから30年近くの間に、この映画を何回再視聴したか、わからない位なのです。

 

この映画の主人公たちは中学3年生、受験生で進路のことでとても悩んでいますね。

私がこの映画を見た時は、+10歳でした。

当時の世の中には「結婚適齢期」と言う言葉が当たり前のようにありました。

女性は「25歳過ぎても結婚できなかったら売れ残り」みたいな風潮がありました。

くどいようですが、親も私自身も結婚についてかなり焦っていました。

 

当時の自分のその焦り様を思い出し、主人公たちと少しだけ共通点を感じてしまいました。

 

当時の私は、実家を継ぐことを強いられていたので、自分がこの歌を自分ごととして聞く日が来るとは思ってもいませんでした。

 

何の因果でしょうか、結局家を継がずに他家へ嫁いだ私は、今現在、この映画を観た映画館のある市に住んでいます。

 

20数年の間に、実家はもうなくなっていて、まさに

 

帰りたい (と、チラッと思っても) 帰れない

 

ところになっています。

 

あと、今回エンドロールをじっくり観ていて、初めて気づいた事があります。

 

高橋一生さんが、天沢君の声を担当されていたのですね!

 


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今度、実写版が公開されるのですね。続編的なお話なのでしょうか?

 


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・・・て、10年後のストーリーなのですね! びっくりしました!!

 

とりとめのない話になってしまい失礼いたしました。