今日は、昨年購入しようとしたら、いつの間にか絶版になっていた上に、中古を買おうとしたら、結構すごい値段がついていて、たまげてしまった児童文学について書きたいと思います。
「おしゃべりねこ大かつやく」という作品です。
私は、この本を少女の頃、図書館で見つけ、友人にも勧められたので、借りて読みました。2、3度借りて読んで、満足してしてしまったのですが、大人になり、「やはりあの本は面白かったよなあ」と思い、数十年を経て購入する事にしました。
が、値段を見てびっくりしました。出版されていた当時、定価530円だった文庫本に、2万円近い値段が付いていたからです。
「…買うべきか、買わざるべきか…それが問題だ」と、数分間、苦悩した末に、思い切って買う事にしました。
本が届き、改めて読み終わるまでは、この買い物が正解だったかどうか…ドキドキでした。が、やはり、とても面白い本だと思いました。
蕎麦屋を営む老夫婦に拾われたねこ(途中より長太郎ねことなる)は、成り行きでおじいさんと一緒にテレビを見ているうちに、テレビの虜になり、いつの間にかテレビに合わせて歌ったり踊ったりしている自分に気がつき驚きます。連れ添いのおじいさんを急に亡くし、すっかり元気をなくしたおばあさんに、思い切って人間の言葉で話しかける長太郎ねこ。その後おばあさんと長太郎ねこは、助け合って摘み草料理の店「ひるげ屋」を開店し、お店は大評判になるのですが…
長太郎ねこは、ただテレビを見ているだけではありません。家の周りの野山を歩き回ったり、動物の仲間たちと交流したり、知恵を絞って、おばあさんを支えていきます。とても賢く、優しいねこなのです。
個人的には、いつか復活、再出版される日が来る事を希望します。