大好きな絵本の紹介です。
「こんとあき 林明子:作」です。
林明子さんの作品は、本当に不朽の名作揃いだと思うし、50年後にも100年後にも、読み継がれていて欲しいと願う作品が多いです。
物語ももちろんなのですが、私は、とにかく林明子さんの描く可愛らしい子供たちや美しく優しい風景が、大好きなのです。
「こんとあき」では、とにかく、「こん」が大好きです。最近、久しぶりに読み返して、私にしては珍しく泣いてしまいました。
このお話は、とても楽しいお話で、泣くような場面は基本ありません。
あきのおばあちゃんに作られて、赤ちゃんのあきのところにやってきた、ぬいぐるみのこん。それからずっと二人は一緒でした。あきの成長とともに、少しずつこんは古くなり、ある日、腕がほころびて綿が出てきてしまいました。
砂丘町のおばあちゃんのとことに行って、直してもらってくるというこんに、あきは「私も行く」といい、二人で出かける事になりました。
可愛らしい冒険物語とも言えると思います。
私も、昔何度も子供に読み聞かせていた時には、この本で泣いた事などありませんでした。今回は、旅行中、トラブルに出会うたびに、
「だいじょうぶ、だいじょうぶ」と、可愛らしく繰り返す「こん」の穏やかな頼もしさに、感動してしまいました。
女の子にも男の子にも、絵を楽しみながら読み聞かせたい、素晴らしい本だと思います。