高畑勲監督へ 〜 人の情けをはぐくみて 〜
今日も、高畑勲監督への思いを書かせて頂きます。
私、こんなにも好き好き書いておりますが、実を言うと、監督の作品を
映画館で観た事が、一度もないのです。
全て、テレビで放送された時や、DVDやビデオで観て、ようやくその作品の素晴らしさに気がついた、愚か者です。
ファンレターも、書こう書こうと思いつつ、書きそびれてしまいました。
「かぐや姫の物語」についてですが、
劇中歌の「わらべ唄」と「天女の歌」は、2曲とも
作曲 高畑勲
と、なっています。
高畑勲監督自ら手がけられた 美しい曲 は こちら↓
(すみません、外国語版しか動画を見つけられませんでした。使ってはいけない動画でしたら、申し訳ありません。)
La storia della Principessa Splendente - Clip - Gemma di Bambù
主題歌「いのちの記憶」も大好きですが、こちらの「わらべ唄」「天女の歌」も大好きです。改めて、高畑監督の多才さとお人柄に心打たれます。
あと、「おもひでぽろぽろ」の主題歌「愛は花、君はその種」の日本語訳詞も、高畑監督自らのお仕事です。素晴らしい和訳だと思います。
手がけられたテレビアニメも大好きです。
「赤毛のアン」
いずれも、原作の素晴らしさを余すことなく映像化した
「不朽の傑作アニメ」だと思います。
ほとんど日本から出たことのない私ですが、
「これは『ハイジ』じゃない」というスイスの方も
「これは『母をたずねて三千里』じゃない」というイタリアの方も
「これは『赤毛のアン』じゃない」というカナダの方も
いらっしゃったとしても、おそらく少数派なんじゃないかな…
と、思っている私です。
一ファンの私ですが、監督がされてきたお仕事は、
魔法使いが魔法を見せるごとく…というよりは、
一滴の水の雫が、池に波紋を広げるような、
甘くて、シュワっとする魅惑的な炭酸ジュースというよりは、
小川で冷やしたミルクや、日本で言うなら冷たい麦茶のように
乾いた体と心を潤してくれる、本当の意味で人の心身の糧となる
「傑作」だと思います。
高畑監督は、私にとって、一方的ながら、
「家なき子」の主人公レミにとっての「おっしょさん」ビタリス氏のような存在です。
だから、ビタリスを失った時のレミの気持ちが、前よりもわかるような気がする自分です。
本当に、得難い偉人を失い、悲しいです。
もっと作品を見せて欲しかったし、監督ご自身も、まだやりたかった事があったのではないかなと思います。
それでも感謝の気持ちでいっぱいです。
高畑監督、本当にありがとうございます。
そしてお疲れ様でした、と、書かせて頂きます。
これからは、苦しみのない天国から、私たちを見守っていてくださると嬉しいです。
ご冥福をお祈りします。