芸術は心のごはん🍚

映画・小説・漫画・アニメ・音楽の感想、紹介文などを書いています。

高畑勲監督へ  〜 人の情けをはぐくみて 〜

今日も、高畑勲監督への思いを書かせて頂きます。

 

私、こんなにも好き好き書いておりますが、実を言うと、監督の作品を

映画館で観た事が、一度もないのです。

全て、テレビで放送された時や、DVDやビデオで観て、ようやくその作品の素晴らしさに気がついた、愚か者です。

 

ファンレターも、書こう書こうと思いつつ、書きそびれてしまいました。

 

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かぐや姫の物語についてですが、

劇中歌の「わらべ唄」「天女の歌」は、2曲とも

 

作詞 高畑勲坂口理子

作曲 高畑勲

 

と、なっています。

高畑勲監督自ら手がけられた 美しい曲 は こちら↓

(すみません、外国語版しか動画を見つけられませんでした。使ってはいけない動画でしたら、申し訳ありません。)

 


La storia della Principessa Splendente - Clip - Gemma di Bambù


主題歌「いのちの記憶」も大好きですが、こちらの「わらべ唄」「天女の歌」も大好きです。改めて、高畑監督の多才さとお人柄に心打たれます。

 

あと、おもひでぽろぽろの主題歌「愛は花、君はその種」の日本語訳詞も、高畑監督自らのお仕事です。素晴らしい和訳だと思います。

 

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手がけられたテレビアニメも大好きです。

アルプスの少女ハイジ

母をたずねて三千里

赤毛のアン

いずれも、原作の素晴らしさを余すことなく映像化した

「不朽の傑作アニメ」だと思います。

ほとんど日本から出たことのない私ですが、

「これは『ハイジ』じゃない」というスイスの方も

「これは『母をたずねて三千里』じゃない」というイタリアの方も

「これは『赤毛のアン』じゃない」というカナダの方も

いらっしゃったとしても、おそらく少数派なんじゃないかな…

と、思っている私です。

 

一ファンの私ですが、監督がされてきたお仕事は、

魔法使いが魔法を見せるごとく…というよりは、

一滴の水の雫が、池に波紋を広げるような、

 

甘くて、シュワっとする魅惑的な炭酸ジュースというよりは、

小川で冷やしたミルクや、日本で言うなら冷たい麦茶のように

乾いた体と心を潤してくれる、本当の意味で人の心身の糧となる

「傑作」だと思います。

 

高畑監督は、私にとって、一方的ながら、

家なき子」の主人公レミにとっての「おっしょさん」ビタリス氏のような存在です。

だから、ビタリスを失った時のレミの気持ちが、前よりもわかるような気がする自分です。

 

本当に、得難い偉人を失い、悲しいです。

もっと作品を見せて欲しかったし、監督ご自身も、まだやりたかった事があったのではないかなと思います。

それでも感謝の気持ちでいっぱいです。

 

高畑監督、本当にありがとうございます。

そしてお疲れ様でした、と、書かせて頂きます。

これからは、苦しみのない天国から、私たちを見守っていてくださると嬉しいです。

ご冥福をお祈りします。