※ 3月11日夜に、副タイトルを変更、記事を少し追記しました。
今回は「たけくらべ」の要約記事の続きです。
10 明治・吉原住人の格差、生活の情景(祭りの前後から秋)
信如は祭り夜は、姉の元への使いで、翌日まで留守にしていたので、筆やでの騒ぎは知らなかった。翌日に友人から聞き知り、長吉の乱暴に驚き、特に自分の名が使われた事を迷惑に思い、後悔する。
祭りの失態を自ら悔いていた長吉も、ややほとぼりの冷めた頃(現代語訳)にやってきて信如に詫びた。
時の拍子だから(現代語訳)・・
正太郎が留守だったんで・・
女郎(美登利のこと)と三五郎を相手にしたかった訳では・・
俺がどこまでも悪いさ(現代語訳)
お前の助言を聞かず悪かった・・
これからは気をつけるから、今回は許してくれ、俺を見捨てないでくれ・・
今度は、正太郎本人を相手にするから(?)等々・・
そうした長吉を、信如は叱りはしなかったが、もう喧嘩が無いようにと思うのでした。
祭りの夜に乱暴を受け、怪我をした三五郎。彼の家は貧しく、父親は、立場上も性格的にも(?)目上の人たちに強い態度ができない人で、息子を傷つけた長吉親子(大家とその息子)にも頭が上がらない。そんな父に事件の事を話しても、逆に叱られ、謝りに行けと言われかねないと思い、悔しく思うも、黙っていたのでした。
しかし、日が経ち、傷も癒えてくるうちにそうした事も次第に忘れ、頭(?)の家の乳児の子守で小遣いがもらえれば、素直に嬉しい。生意気盛りの十六歳だが、あまり自尊心はなく、表町に行けば、いつも正太郎と美登利のなぶり者、からかいの的になりながらも、遊び仲間からは外れなかったのでした。
秋風が涼しくなってきた頃。(原文は、季節の移り変わりの描写が美しいです)
この頃は、吉原を訪れる人々の様子も、少し変わってくる(?ようです?)
・・盲目の按摩の二十歳ばかりの娘が、叶わぬ恋と身の不自由を恨んで・・
ヤンチャな吉五郎と太吉の姿がみられないのはなぜ?・・(鼻を指して)この件(花札のことのようです)であげられました・・
・・幼い子供達が大通りで ひーらいたー ひーらいたー なーんのはーなが・・と、無邪気に遊んでいる・・
などと言った、噂、ゴシップ、日常風景が語られます。
そんな折、
秋雨しとしと寂しい夜。戸を閉めていた筆屋の中では、いつもの様に(?)、美登利と正太郎、その他に小さい子供が2、3いて、きしゃごおはじきという幼げな遊びをしていた時。
美登利が、誰かお客がきた気配がすると言い、それを聞いた正太郎はちゅうちゅうたこかい(すごろくやおはじきなどで遊んでいる子供達が、数を数えるときに用いる言葉)の手を止めて、仲間が来たのかと喜んだが、(入ろうとしたはずの客の)気配はふっと途絶えて、音も沙汰もない。(現代語訳より)
11 信如と美登利と正太郎の(二等辺三角形的?)関係
正太郎が戸を開けてばあと言いながら顔を出すと、客らしかった人は、2、3軒先の軒先をたどり、ぽつぽつと歩いて行くところだった。
誰だ、誰だ、お入りよ(正太郎)
美登利も履物をつっかけて(様子を見に?)駆け出そうとしたところ
あああいつだとひとこと(正太郎振り返って)
美登利さん呼んだって来はしないよ、例の奴だもの
(といって、自分の頭を丸めて見せた)
信さんかえ、と受けて、(美登利)
厭な坊主ったらない、 (うそ)
・・省略・・
意地悪の、根性曲がりの (うそ)
・・省略・・
厭な奴め・・ (うそ)
(会えば罵ってやったのに?)
帰ったのでは惜しいことをした、どれ下駄をお貸し、ちょっと見てやる
(うそは口実だった?)
と言い、正太郎に代わって外に顔を出した美登利。
雨だれが前髪に落ちるのに首を縮めながらも、
四五軒先のガス燈の下を大黒傘肩にして少しうつむいてゐるらしくとぼとぼと歩む信如の後ろかげ、
何時までも、何時までも、何時までも
見送るに(原文より)
正太郎にどうしかしたのかと声を掛けられ、慌てる美登利。
慌てて取り繕い、また、信如の悪口を並べ立て、正太郎に同意を求め(?)ます。
(ホッとした?)正太郎は、龍華寺(信如)はまだ長吉よりはものがわかっているよと、大人ぶってみせる(十三歳男子)。
そんな正太郎を美登利がからかい、笑ったところ正太郎は
俺だってもう少しすれば大人らしい格好をして大人になるんだぞお・・的な?
そんな彼に
それは何時だろうね・・的な?
ことを言ってはしゃいでからかう美登利。
そんな二人の(夫婦ならぬ幼馴染漫才・・的な?)ふざけたやり取りに、筆屋の中が盛り上がります。
二人の複雑な心とは裏腹に・・
筆屋の女房に、
この辺りでは、お六さんや喜いさん(が美人さんだけど)それよりももっと美人さんはお前さんの隣にいるでしょう
などとからかわれ、正太郎は顔を赤くしてやり返す。
二人の仲の良さをからかわれるも、美登利はきゃしゃごを集めて、
さあもう一度初めからと言いつつ、
こちらは顔を赤らめはしなかった。(現代語訳より)
今回の心のBGMはこちらでした。
やはり、こちらもアップします。
中村紘子 ショパン作曲 プレリュード第15番変ニ長調「雨だれ」
中村紘子さんは、日本が生んだ、素晴らしい女性ピアニストだと思います。
小林麻美さんは、容姿も声も美しくて セクスイーだと改めて思いました。
とてつもなく深い日本語歌詞はこちら
私は、このお話「たけくらべ」を知る様になってから
古今東西の文学とか、演劇とか、映画が・・いくつか・・頭を、よぎったのですが。
まさか
に思いを馳せる時がくるとは、今まで思いませんでした。
でも、昭和40年代生まれの私は、クラシックだけではなく、
ちなみに、この歌の日本語歌詞の作詞者は
俺たち、私たちの 松任谷由実様
です。
私がこの日本語歌詞で、一番 しびれたのは
暗号の ピアノ
というところです。
原曲の歌詞はこちらです。
参考文献はこちら
今回は、ここまでにしておきます。