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樋口一葉『たけくらべ』について 四季べつの感想・解釈  「春(若葉の頃)」☘ 第七章について

今日は夜に更新します。

11月も半分ほど過ぎましたが、皆様、いかがお過ごしでしょうか?

 

今回は、「たけくらべ」の「春から初夏」までの場面、七章の感想・解釈です。

 

美内すずえ先生の「ガラスの仮面」3巻の表紙が素晴らしいので、紹介させて頂きます。

私は漫画の劇中劇での亜弓さんの美登利、桜小路くんの信如も大好きなのですが、

この表紙では、マヤの美登利と桜小路くんの信如が描かれていて、とても嬉しいです。

 

ガラスの仮面 3 

 

「春から初夏」第七章

 

 この章では、場面がその年の春に戻ります。

 春から夏祭りまでに、信如美登利の間に、どの様な事があったかが書かれています。

 四月末に、学校の大運動会がありました。時間も忘れて夢中になっていた時、信如は池のほとりの松の根につまずき、地面に手をついて、羽織の袂も泥まみれになってしまいます。

 そこに居合わせた美登利が、見かねて自分の紅のハンケチを差し出しました。

  しかし、学友たちが二人を冷やかします。

 元来、そうした冷やかしを、するのも受けるのもとことん嫌いな信如。彼はそれ以来、内心は惹かれつつも、美登利を避ける様になります。

 

 学校からの帰り道、少し前を歩いていた美登利から

美しい花が咲いているのに、枝が高くて私には折れないから、代わりに折ってください

と頼まれた時は、流石に知らぬふりはできませんでした。

 信如は狼狽し、よく花を見ずに、手直な花枝を折って投げ捨てる様にして、スタスタとその場を去ってしまったのでした。

 

 流石の美登利も呆れ、傷つき、美登利の方からも信如に近づかなくなります。

 そうして二人の間には、目に見えない、大きな川が流れているような状況になったのでした。

 

  後半は、夏祭りに侮辱を受けた後の、美登利の長吉、信如に対する悔しさ、怒り、大黒寮で大事にされている自分への誇らしい気持ちが書かれています。

 その様な経緯があり、夏祭りの後、美登利は学校に行かなくなったのでした。 

 

 運動会でのハンカチの気遣いについてですが、 

 元々、心優しく世話好きの美登利にとって、それは自然な行動だったのではないかと思います。

 おそらく信如の方は、非常に驚き、本当は嬉しく、戸惑ったのではないかと思います。その一方、学友に揶揄われた恥ずかしさ、悔しさ、そうした信如の心の動きも印象的です。

 

 美登利から花の枝を頼まれた時、信如は本当は、一番綺麗な枝を選んで、渡したかったのかも知れません。 

 その他にも、無邪気な美登利の、学校での言葉かけに素直に答えられませんでした。

 美登利は、そんな信如の仕打ちに傷つき、自分からも距離を置く様になります。

 

 美登利の親切で天真爛漫な性格ゆえの言動、それに対して、内気で繊細、不器用な信如の行動。二人は、外から見ていると、本当に真逆、対照的な人柄に思えます。

 

それでも私は、二人には

曲がった事が大嫌い

という共通点があると思いました。

 

 

お付き合い、ありがとうございます。