芸術は心のごはん🍚

映画・小説・漫画・アニメ・音楽の感想、紹介文などを書いています。

漫画『古見さんは、コミュ症です。』について

こんにちは。

 

最近、こちらの漫画をしり、夢中になっています。

まだ、最初の方しか読めていないのですが。記事にしたくなりました。

 

 

古見さんは、眉目秀麗で文武両道に優れた高一の少女。同じクラスで、隣の席になった只野くんは、古見さんが、単なるクール・ビューティーではなく、緊張して誰ともしゃべれない、コミュ症に悩みながらも、友達を作りたがっている事に気付いて・・・

 

一見、完璧に見える古見さん。

ですが、そのコミュ症っぷりだけは、10代の頃の自分を思い出すと、私は共感してしまうところもあります。(今は喋りすぎるくらいの私ですが💦)

友達になりたい、嫌われたくない、そういう気持ちが強いと、かえって話せなくなってしまうのかなあと思ったり、

今も昔も、友達関係、学校生活って、やっぱり難しいのだなあ・・

と、感じました。

 

只野くん以外の他のキャラクターも、超個性派揃いです。

 

 

アニメも面白かったです。

 


www.youtube.com


www.youtube.com


www.youtube.com

 

 

ありがとうございます。

 

 

 

 

 

明けましておめでとうございます 〜 🇫🇷映画『ローズメイカー 奇跡のバラ』を鑑賞しました🌹 〜

明けましておめでとうございます。

 

先ほど、こちらの映画を鑑賞しました。

 


www.youtube.com

 

 

 

私は、本当に薔薇が大好きなので、鑑賞しました。

うまく説明できませんが、

私はみて良かったと思いました。

元気を頂ける映画だと思いました。

 

以前撮った薔薇の写真をつけてみました。

写真を撮るのって難しいですね。

映画を見て、植物を育てるのも、本当に大変なんだなと思いました。

 

 

 

皆様、本年も、よろしくお願い致します。

 

樋口一葉『大つごもり』私なりの現代語訳  〜 2022 大つごもり(大晦日)なので 〜

こんにちは。

 

晦日なので、今年の過去記事より、

『大つごもり』の現代語訳の記事をアップします。

 

 

obachantoarts.hatenablog.jp

 

 

皆様、今年も大変お世話になりました。

良いお年を。

 

 

 

暮れのご挨拶

こんにちは。

寒い日が続いていますが、皆様いかがお過ごしでしょうか?

 

私は、ブログを更新しているPCが、とても寒いところに置いてあり、移動もできないので、

しばらく、ブログをお休み致します。

 

こちらのブログを訪れてくださった皆様、

今年も大変、お世話になりました。

 

 



 

 

樋口一葉『大つごもり』私なりの現代語訳  〜 一記事にまとめました 〜

こんにちは。

 

今日は勤労感謝の日ですね。

 

今回は、ここ数週間、書いてきた

樋口一葉さんの『大つごもり』私なりの現代語訳を、一つの記事にまとめました。

最初は12回に分けていた記事を、いろいろ考えまして、8回にまとめ直しました。

 

読者の皆様に、ご迷惑をおかけしていましたら、大変申し訳ありませんでした。

 

樋口一葉さんの似顔絵を描いてみました。

 

obachantoarts.hatenablog.jp

obachantoarts.hatenablog.jp

obachantoarts.hatenablog.jp

obachantoarts.hatenablog.jp

obachantoarts.hatenablog.jp

obachantoarts.hatenablog.jp

obachantoarts.hatenablog.jp

obachantoarts.hatenablog.jp

 

通しで読み返して思ったことを、少し書きます。

 

お峯ちゃんは、家庭に愛と信頼関係はあっても、お金に苦労しています。

石之助は、お金は貰えても、愛と居場所を与えられていないなと。

 

お峯と石之助の共通点は、血縁のない親に育てられたと言う点かなと。

 

改めて思ったのは、このお話には、恋愛的な描写は・・ない・・かな・・?

 

お峯の心の中の描写はあるのですが、石之助は、言動だけなので、

石之助の本心と真実は、謎のままの様な感じです。

 

本当は寂しがりやなのかも知れない石之助の事を考えていたら、こちらの曲が頭を過りました。

 

ユーミン様の 「セシルの週末」です。

お金持ちだけど、両親の夫婦間にも親子間にも愛がなくて、ちょっとグレてしまった女の子の物語。優しい男性とめぐりあい、少しずつ変わっていく彼女の成長日記の様な、素敵な曲です。

 

セシルの週末

セシルの週末

  • provided courtesy of iTunes

 

皆様、お付き合い、ありがとうございました。

 

樋口一葉さん作品の魅力が、少しでも伝わったら嬉しいです。

 

樋口一葉『大つごもり』私なりの現代語訳  〜 その8 最終回です 〜

※ 11月23日午前中に、12回に分けていた『大つごもり』の現代語訳を、

8回にまとめ直しました。

ご迷惑をおかけしていましたら、申し訳ありません。

 

 

こんにちは。

 

今回は、『大つごもり』の最終回です。

 

樋口一葉『大つごもり』私なりの現代語訳  その8

 

 

 

「お母様、ご機嫌よう!良い新年をお迎えなされませ。では、そう言う事でしたら、私は参りましょう」

 

と、暇乞いもわざと恭しく言い、

 

「お峯、下駄を直せ!お玄関からのお帰りではない。我が家からのお出かけだぞ!」

 

と、図々しく大手を振って出て行った。石之助の行き先は、一体どこなのであろうか?

父の涙も、どうせ一晩のその場凌ぎで、夢の事になるのだろう。

 

(持ってはならないのは放蕩息子。

持ってはならないのは放蕩息子に育てる継母だ)

 

と、思っているのだ。

 

奥様は、お浄めの塩こそふらなかったが、息子の痕跡をひとまず掃き出して、若旦那の退散を喜んだ。

 

「お金は惜しいけれど、見るのも嫌だから、家に居ないだけでも上々だ!

一体どうすれば、あの様に図太くなられるのか…

あの子を産んだ母親の顔が見たいわ!」

 

と、奥様は例によって毒舌を磨くのだった。

 

              ※

 

 お峯は、この出来事ですら、何も耳に入らず、上の空だった。犯した罪の恐ろしさに

 

(本当に私なのか?人なのか?さっきの仕業は…)

 

と、今更、夢路をたどっていた。

 

(考えてみれば、この事は、ばれずに済んでしまう事だろうか?万ほどの中の一枚だったとしても、数えれば明白だろうに…

元々お願いしていた金額だし、ちょうど見ている人もいなかったから、やってしまったけれど…

疑いは何処に向くだろう?

調べられたらどうしよう?

何と言おう?

たとえ言い逃れられたとしても罪は深い。

白状したら伯父にも罪が掛かってしまう。

自分の罪は覚悟の上だけれど、実直な伯父様にまで濡れ衣を着せて…

その上に自分の仕事が無くなったら、もっと貧乏になってしまう。

この様な事をする者と、人が言いはしないか?

ああ悲しい!どうすれば良いの?

伯父様に傷のつかぬ様に、自分が今すぐ死んでしまえる方法はないだろうか…)

 

と、目は奥様の立ち居動きに釘付け。しかし心は、かけ硯の金庫の方をさまようのだった。

 

               ※

 

「大勘定」といって、その夜に有るだけのお金をまとめて、封印する習慣がある。

 奥様は、

「そうだ、そうだ!」

と思い出して、

「かけ硯に先ほど、屋根やの太郎に貸付た戻り金が…あれが二十ございました。

お峯、お峯!かけ硯を、ここへ持って来ておくれ!」

 

と、奥の間から呼ばれたお峯。

 

(もはや、その時が来た!私の命は無きもの!)

 

 奥様は大旦那様に御目通りして、始めからの報告を…無情そのままに言ってしまった。

 

(もう隠す術もなく、方法もない…

正直なのが私の取り柄。逃げもせず、隠れもせず、

『したくはありませんでしたが、盗みました』

と、白状はしましょう…伯父様が同罪でない事だけを、何処までも話して…

 聞き入られなければ、仕方がない。この場で舌を噛み切って死んだのなら、この私の命に変えて、嘘とは思われないだろう…)

 

それ程までに度胸がすわっても、奥の間へ行く間の心境は、屠殺処に引かれていく羊の様だった…

 

             ※

 

 お峯が盗んだのは、唯の二枚。残りは十八枚あるべき筈なのだが、どうした事だろうか?

 

「束ごとない!」

 

と叫んで、奥様が引き出しの底を返して振ってみても無駄であった。

 怪しくも、はらりと落ちた紙切れが一枚。いつの間にしたためたものか、受け取り状の一通。

 

(引き出しの分も拝借致しました。   石之助)

 

「さては、どら息子の仕業か!」

 

と、家の人々は顔を合わせて呆れただけだったので…

 

 お峯が調べられる事はなかったのだった。

 

(私にとっての、日頃の行いのお恵みが、私が知らないうちに、たまたま石之助さんの罪になってしまったのだろうか…?

いやいや、もしかすると石之助さんは知っていて、ついでに私の罪をも被ってくれたのかも知れない…)

 

 もしそうだったとしたら、石之助は、お峯の守り本尊に違いない。

 後の事しりたや。(この後どうなったのか、知りたいものだ)

 

              完

 

 

とうとう、最終回の現代語訳が終わりました。

 

 

参考文献はこちらです。

 

 

 

今回の私の心のBGMは、最終回を記念して三曲にしました。
使ってはいけない動画でしたら、申し訳ありません。

 


www.youtube.com

 

何となく、石之助の破天荒な不良っぷりを思い、矢吹丈の事が脳裏を過りました。

 


www.youtube.com

 

やはり、石之助に必要なのは、

良き師匠

なのでは?と思い、丹下段平師匠も脳裏を過りました。

 

最後はこちらの曲


www.youtube.com

 

最初は、お峯ちゃんの立場がシ○デ○ラ 似てるなーと…

次に、石之助の登場で…   シ◯デ○ラは こっちだった… ?と思った時もあったのですが。

 

最後は、こう思うに至りました。

 

石之助は、守り本尊… てか、王子様… ? じゃなくて、 魔法使いだった…?

 

 

あと、やはりすごいと思ったのは、最後の一文

 

後の事しりたや。

 

です。

 

明治日本の文学は、

 

「めでたし、めでたし」

 

と言う感じではなかったのでしょうか?

 

本当に、この後、お峯と石之助は、どうなったのでしょうね?

私も非常に気になります。

 

山村石之助の、明日はどっちだ!

丹下段平師匠ふうに💦)

 

 

 

『大つごもり』の現代語訳は、少しずつ進めて、少しずつ記事をアップしていきましたので、

読みにくかった事と思います。

序盤の、お峯ちゃん一家についてのあたりを書いていた時は、

このお話は、記事にして良いのだろうか?

と、迷った時もあったのですが。

思い直して、何とか最後まで書く事ができました。

 

皆様、お付き合い、ありがとうございました。

 

樋口一葉『大つごもり』私なりの現代語訳  〜 その7 〜

こんにちは。

 

『大つごもり』の続きを書きます。

前回、切羽詰まったお峯は、遂にやってはいけない事を…

お峯は、この後どうなるのでしょうか…

 

晦日の晩、上機嫌で、それぞれの外出先から帰宅した山村家のご夫婦。

そこに待ち構えていたのは、不良息子の石之助でした。

 

さて、どうなるのでしょうか?

 

 

樋口一葉『大つごもり』私なりの現代語訳  その7 

 

 

 大晦日の日も暮れ近くなり、旦那様が沖釣りから、えびす顔をしてお帰りになると、続いて奥様も娘の安産の喜びに溢れてご帰宅なさった。

 送りの人力車の車夫にまで愛想がいい。

 

「今夜の家仕舞いをしたら、また見舞いに行きます。明日は早くに妹のうちの誰かを、一人には必ず手伝いをさせますと、お伝え下さいまし。

さてさて、ご苦労様でした」

 

と、夜道のろうそく代などを渡して、車を帰した。

 

「やれやれ、忙しい事!誰か暇な人の身体を半分借りたいものだ!

お峯、小松菜は茹でておいたかい?

数の子は洗ったか!

大旦那はお帰りになったか?

若旦那は…?」

 

と、これは小声で聞かれたのだが、まだ居ると聞いて、奥様は額に皺を寄せた。

 

 石之助は、珍しくその日はいつもより大人しい口調でこう言った。

 

「新年は明日より三ヶ日ですし、本来は自分の家で祝う筈のものでしょうが、私はご存知の通りの気まぐれ者。

 堅苦しい袴づれも挨拶も面倒だし、集まる親類の顔に美しい人もいないから、見たいと思う気持ちもないですよ。

 裏屋の友達のところに、今夜は約束もありますのでね。

 今夜はひとまずお暇して、また、新年からも末長く(お金の)頂戴の数々をお願いしますよ。

 ちょうどおめでたい時期だ!お歳暮には如何程(いかほど)下さりますかい?」

 

と、今朝より寝ながら父親の帰りを待っていた訳は…これだったのである。

 

 

「子供は三界の首かせ(三界は、過去・現在・未来の事。親にとって子供は、逃れる事の出来ない苦労の種であると言う例え)とは、よく言うが、本当に、どら息子を子に持つ親ほど不幸者はいない。

 切る事の出来ない縁の血の繋がりだからと言って、思い切りの悪戯をやり切って、崩壊した暁に、落ち込むのは絶望の淵だろう。親が子供の悪事を

『自分の知った事ではない!』

と言っても、世間様は許さないだろうから、立派な我が家名が耐え難く、自分の顔が恥ずかしい!こうなったら、大事なこの蔵を開けるしかあるまい!」

 

と言って、父親が蔵を開けるのを見て、石之助は

 

「今宵が期限の借金もございます。人の保証人になって判を押した分もありますし、花札賭博の場所に強風もひとふき。

 ゴロツキ仲間に借りを返さねば、この収まりがつくのは難しいでしょう…

 私は仕方ないですが、父上のお名前に申し訳がないですよ!」

 

と、つまりはお金の催促と解る様に言ったのだった。

 母親は、あらかた、そんな事だろうと、今朝からの不安が的中して、

 

(一体、いくらとねだるのだろうか?甘い旦那様のやり方が、はがゆい!)

 

と思っても…

 自分も、口では勝てない、石之助の弁舌に、お峯を泣かせた今朝とは違って、

(夫の顔色はどうだろう?)

とばかりに、チラチラと夫を見やる目線の恐ろしい事。

 

 父親は静かに金庫蔵へ入っていき、やがて五十円束を一つ持って戻って来た。

 

「これは貴様にやるのではない!

まだ結婚が決まらぬ妹娘達が不憫だし、姉娘の夫の顔にも迷惑がかかる。

この山村家は、代々真面目一方。正直律儀を指針にして、悪い噂を立てられた事もない筈だったものを…

悪魔の生まれ変わりの様な貴様という悪が出て、余りの無分別に人様の懐を狙う様にでもなったら、恥は私一代に止まらない。重いと言っても財産は(家名の)二の次だ。

親兄弟に恥をかかせるな!

貴様に言っても甲斐はないだろうが、普通であれば、山村の若旦那といえば、悪戯に世間様の悪い評判も受けず、私の代わりの財産で、当主の苦労をも助けられた筈だったものを…

六十に近い親に苦労をかけるとは、罰当たりではないか!

子供の頃には、本を少しでものぞいていた奴が、

何故これが分からないのか!

さあ行け!

帰れ!

何処へでも帰れ!

この家に恥をかかせるな!」

 

と言って、父親は家の中深くに入って行き…

は石之助の懐の中に入ったのだった。

 

 

今回はここまでにいたします。

 

参考文献はこちらです。

 

 

今回の私の心のBGMは、こちらの二曲でした💦

 

ペット・ショップ・ボーイズ の 「Opportunities 」です。

80年代後半に大ヒットした曲です。

 

 

大つごもりも晩になりました💦

 

が、

 

山村家の ジェットコースター的 大つごもりは…

まだまだ波乱が…

 

もう一曲は、こちらでした。

 

映画『スター・ウォーズ』シリーズの「帝国のマーチ(ダースベイダーのマーチ)」です。

 

 

父親 vs   息子

 

と言う意味でなんとなく…

 

あ、でも、こちらの映画では、闇に染まったのは、父親の方でしたでしょうか?💦

 

今回の後半内容は、

ジェダイの復讐」

ではなく、

「親世代の逆襲」

と言う感じかな?と💦でも、最後には大金を渡していましたね💦

辛いんだか、甘いんだか、分からないお父様だなと💦

 

ダースベイダー と ルーク・スカイウオーカー の 有名なセリフは

 

アイム ユア ファーザー!     

ノー!

 

だったと思うのですが、山村家の 父親 と 息子の 言い分は…

 

後とり息子として認めたくない父と、

自分の息子としての権利を譲らない息子で、

 

何だか真逆な感じかなと💦

 

改めて、今回感じたのは、石之助に必要なのは、オビ=ワン・ケノービマスター・ヨーダの様な

良き師匠

なのではないかな…?

と言う事です。

 

もし、マスター・ヨーダ だったら、こんなふうに助言してくれるのでしょうか?

 

「石之助、(お金ではなくて)フォースを使うのじゃ!」

…なんて…妄想してしまいました💦

 

 

それから、今回の文章を書いていて、樋口一葉さんの文章、やっぱりすごい!!

と、私が特に感じたのは、最後の一文でした。

シニカルなウィットのパンチが効いた一文だと感じました。

 

おそらくですが、次回が最終回になりそうです。

 

さて、この後どうなるのでしょうか。

 

お付き合い、ありがとうございます。

 

樋口一葉『大つごもり』私なりの現代語訳  〜 その6 〜

こんにちは。

 

『大つごもり』の、私なりの現代語訳、続きを書きます。

 

晦日の午前中、またもや山村家の 義理の母 と 義理の惣領息子 の

いがみあい(?)が勃発しました。

そのとばっちりを受ける様な形で、お峯が大ピンチに。

日頃の厳しい扱いの上に、止めを刺すような奥様の無情なお言葉。

お峯が絶望と怒りで途方に暮れる中、正午を知らせる号砲が鳴り響いたのでした。

さて、どうなるのでしょうか。

 

 

樋口一葉『大つごもり』私なりの現代語訳  その6

 

 

 すると突然、玄関が開いて、誰かが入ってきた。

 

「お母様はいらっしゃいますか!

直ぐにおいで下さいませ!

上のお嬢様が今朝から陣痛のお苦しみが始まりまして、おそらく午後にご出産になりそうです!

初産なので、旦那様もどうして良いか、お分かりにならず、お騒ぎなされて…

ご年配の方がおらぬ家ですので、その混乱ぶりは、お話になりません!

今すぐに、おいで下さいまし!」 

 

と言って、生死の分かれ目ともなり得る初産に、西応寺の娘が、当然の事とばかりに迎えの車でやってきたのだった。

 

(これは、大晦日だからと言って、あちら様に遠慮もしてはいられぬ事だ!…かといって、家にはお金もあるし、どら息子がごろ寝しているし…

行きたい!…でも行きたくない理由も…

ああ、どうしよう!

 

 奥様の心は二つに分かれるのだけれど、体を二つには分けられない。

 結局、実の娘への愛情に負けて、奥様は車に乗った。しかしながら、こんな大事な時だと言うのに、呑気者の夫が心底憎らしく、

 

(全く!大晦日の日なんかに沖釣りに行く事もないでしょうに!)

 

と、釣り好きで張り合いなのい御主人の事を、つくづく恨みがましく思いながら、奥様は出発したのだった。

 

           ※

 

 そんな奥様のお出かけと行き違いに、三之助が「こちら」と聞いていた白銀台町のお屋敷を間違えずに尋ね当ててやって来た。しかし、

 

(こんなみすぼらしい身なりで、姉さんに恥をかかせない様にしなくちゃ…)

 

と、姉の立場を思いやり、勝手口から恐る恐る中を覗き込んだのだった。

 

(誰か来たのかしら?)

 

と、かまどの前で突っ伏して泣いていたお峯は、慌てて涙を隠し、出て行って見つけたのは、三之助その子であった。

 

(おお、よく来たね…とも言われない実情を、どうすれば良いかしら…)

 

「姉さま、ぼくが入っても叱られませんか?約束の物は貰って行かれますか?

旦那様や奥様に、良くお礼を申して来る様に父さんから言われました!」

 

と、実情を知らない三之助の無邪気な喜び顔が、お峯にはつらい。

 

「三ちゃん、ともかく待っていて下さいね。私はまだ少し用があるから…」

 

と、急いでその場を離れて、お峯は家の中と外を見回した。

 

(お嬢様方は庭で羽付きに夢中、雇われ小僧さんは、まだお使いから帰っていない…お針子さんは二階だし耳が遠い人だから大丈夫。若旦那様は…?)

 

と見ると、居間の炬燵で、今はちょうど夢の真っ只中らしい。

 

(どうか、神様、仏様、私は悪人になります!

なりたくはないけれど…ならねばならないのです!

罰をお与えになるなら、私一人にして下さい。

お金を使う伯父や伯母は、本当の事を知らないのですから、お許し下さいませ!

恐れ多い事ですけれども…

このお金…盗ませて下さい!)

 

と祈りつつ、以前から見知っていた硯の引き出しから、札束のうちの二枚だけ掴み出した後の事は…

 お峯には夢とも現実とも分からず、お金を三之助に渡して家に帰した一部始終を、

 

(見た人はいるまい)

 

と思ったのだった。

 

 

今回はここまでにいたします。

 

参考文献はこちらです。

 

 

ついにお峯ちゃんが…!

 

朝からゴタゴタ続きの、山村家の大晦日は…

 

まだまだ色々ありそうです💦

 

と言うわけで、今回はこちらの歌が、私の頭をよぎりました。


www.youtube.com

 

山村家の…

 

暮れ は〜 ジェットコースター ♪

 

みたいだと感じた、土曜日の夕暮れでありました。

 

お付き合い、ありがとうございました。

樋口一葉『大つごもり』私なりの現代語訳  〜 その5 〜

こんにちは。

 

今回も『大つごもり』の続きです。

 

物語も、いよいよ山場に突入いたします。

 

「大つごもり」当日。

大金持ちの山村家に、嵐を呼ぶ(?)息子、石之助が帰ってまいりました!

結果、奥様のイライラがまたも募り…

晦日の正午が近づき、今しかないと焦ってお金の前借りを願い出たお峯は、奥様の無情な言葉に大ショック。

しかし、奥様には奥様の、口には出来ない悔しい思いがある様です。

 

 

 

樋口一葉『大つごもり』私なりの現代語訳  その5 

 

 

 大晦日の当日がやってきた。

 

「ほーら、お兄様のお帰りだぞ!」

 

と言って石之助が玄関から入れば、妹たちは皆怖がって、腫れ物の様に触る者がない。しかし結局、誰もが何でも言うなりになるので、石之助は一段とワガママのし放題。

 この日もいきなり帰ってきたかと思えば、炬燵に両足を突っ込んだまま

 

「酔い醒めの水を持って来い!」

 

と、乱暴な言葉。それはいつもの様に、母親の心臓に止めを刺さんばかりだったが…

 

(本当に憎らしい!)

 

と思っても、流石に義理の母の立場は辛いものなのだろうか、母親は陰の毒舌を我慢し、(惣領息子が)風邪を引かぬように、かい巻きやら何やら、枕まであてがってやるのだった。

 すると石之助は、今度は、正月の支度のお節料理をつまみ食い。

 

「他人に食べさせるんじゃあもったいない!」

 

と、聞こえよがしの経済観念を、枕元から見せつけるのだった。

 

 

 正午も近づく中、お峯は伯父への約束が気になって落ち着かない。奥様のご機嫌を見計らう余裕もなかったので、少し仕事の手が空いた時、頭にかぶっていた手ぬぐいをとって、手の中で硬く握り締めがら、思い切って言った。

 

「あの…先日より、お願いしておりました事ですが…こんなにお忙しい時に申し訳ないのですが、今日の昼過ぎにと、お約束して頂きましたお金の件…お助け頂けましたら、伯父の幸せは私の喜び…いついつまでも、御恩にきますので…」

 

と、手をもみ合わせて頼み込んだ。

 

 数日前、初めに願い出た時には、曖昧ながらも結局は

「いいよ」

と言ってもらえていた。その言葉を頼みにして、

 

(また、奥様の機嫌が悪い時にうるさく言ったりしたら、かえって藪蛇になるかもしれないし…)

 

と、今日までずっと、催促するのを我慢していたのだが…流石に今は、約束の大晦日、その日の昼前である。

 

(奥様は忘れてしまわれたのかしら…)

 

何ともお話もなく、お峯は不安で仕方がない。

 

「私にとっては身に迫った大事な事なのですが…」

 

と、言いにくい事を思い切って、こう願い出たのだった。すると奥様は、驚いたような、呆れ顔をして言った。

 

「それはまあ、何のことやら…なるほど、お前さんの伯父さんの病気、それから借金の話も聞きましたが、今の今、私の家から立て替えようとは言わなかった筈だよ。それはお前の聞き違いだよ。私は全く、覚えがないねえ」

 

と、いくらこれがこの奥様の十八番(得意技)とは言っても…

何とまあ、薄情な事だろう。

 

 

            ※

 

(花や紅葉の布を美しく仕立てた娘たちの晴れ着姿…

その下に着る下着の小袖、襟元も着物の裾もキチンとして…

母親の私も眺めて、人様にもお披露目して、喜ぶつもりだったのに!

邪魔者の兄が見ている目が、本当にうるさいわ!

ああ、もう…早く出て行きなさいよ!早くどこかに行ってしまえ!)

 

と思う内心の思いは、口にこそ出せないが、石之助の義母は持ち前の癇癪が今にも心の中で爆発しそうである。

 もしも知徳の優れた坊さまが、今の奥様をご覧になったとしたならば、体が炎と煙に包まれているのが見える事だろう。

 お峯が奥様に話しかけたのが、そんな風に、心の中が乱れ狂っているちょうどその時だったものだから…その反動なのか、奥様も言うは言うは…

 

「お金も薬も、身に過ぎれば毒になるんだよ!

今聞いた事を、私に覚えがあったとしてもだね!

それが一体、何だって言うんだい?

きっと、お前の聞き違いだよ!」

 

と、ぴしゃりと言い放って…

後はタバコの煙を輪にふいて

 

「私は知らないよ!」

 

と、済ませたのだった。

 

(ええい! このお宅にとっては大金でもあるまいし! 私が必要なお金は二円よ!

しかも、ご自分の口で一度は承知しておきながら、十日と経っていないのに、急に忘れっぽくなる事もないでしょうに!

 

あぁ…あそこ、あのかけ硯(金庫) の引き出しにも、

 

『 これは貯金に回す分…』

 

と言っていた、一束のお金が入っているはず…

十枚二十枚とか、全部と言っている訳じゃない。

二枚だけで、伯父が喜び伯母が笑い、三之助には、少しの雑煮を食べさせてあげられるのに…

どうしても欲しいのは、あのお金。

憎らしいのは奥様だ!)

 

と思っても、お峯は悔しさのショックで、ものも言えない。常日頃からおとなしい性格なので、理詰めで反論する術も知らないのだ。

 すごすごと台所に立った時、正午の号砲の音が鳴り響いた。ちょうどその様な時だったので、その音は一段と、お峯の胸に響いたのだった。

 

今回はここまでにいたします。

 

参考文献はこちらです。

 

 

本当に、灰かぶり○ っぽくなってきましたが…

明治、日本の物語では、夜中の十二時の鐘ではなく、正午の号砲の音でした💦

 

と言うわけで、こちらの歌が今回は頭をよぎりました。

 

ディズニー・シンデレラの The Work Song です💦


www.youtube.com

 

さて、ネズミのお友達がいない、お峯ちゃんの大ピンチ!

一体、彼女はこの後どうなるのでしょうか。

 

お付き合い、ありがとうございます。

 

樋口一葉『大つごもり』私なりの現代語訳  〜 その4 〜

こんにちは。

皆様いかがお過ごしでしょうか?

 

2022年も、あと1ヶ月半ですね。

その影響なのでしょうか、最近私のブログの、下記の過去記事を読んでくださる方がいらっしゃるようで、とても嬉しいです。

書いて良かったなと感じています。読んで下さった皆様、本当にありがとうございます。

とても励みになります。

 

obachantoarts.hatenablog.jp

 

そんな事もありまして、『大つごもり』の私なりの訳の続きを、今回もいってみます。

今日は、重要人物が初登場します。

 

山村家の一人息子、石之助です。

それから、山村家の奥様のイライラの理由も少しわかってきます。

 

 

樋口一葉『大つごもり』私なりの現代語訳  その4 

 

 

 石之助といって、山村の長男息子がいるのだが、他の子供たちと母親が違っており、この息子に対する父親の愛情も薄い。

 

「この子を養子に出して、家督は妹娘の中から…」

 

と、親たちが相談しているのが十年も昔から耳に聞こえているので、石之助は面白くなかった。結果、(明治時代の)今の世の中でも、勘当とならないのがおかしい程に、自由気ままに遊び呆けて、義理の母の怒りも実父の事も、全く気にしない放蕩息子。十五の頃から不良になってしまったのだが…

 

 男っぷりは渋くて二枚目、利口そうな眼差しで、肌は浅黒い。

 

「そこが素敵なのよ!」

 

などと、近所の娘たちの噂も聞こえるけれど…

 ただ乱暴ばかりで、品川の遊郭で大騒ぎをしていたかと思えば、夜中に車を飛ばして、ごろつき達を叩き起こし、

 

「そーら、酒とつまみを買ってこい!」

 

と、財布を空にして無理を通す道楽者だった。

 

「とてもこの息子に家を継がせるなんて…油蔵へ火を放つ様なものです!財産は煙になって消えてしまうでしょうよ!私たちはどうしたらいいの?私の娘たちが不憫だわ!」

 

と、義理の母は、夫に絶え間なく石之助の悪口を言う。

 

「かといって、この放蕩息子を養子にと申し出る人も、この世にはないだろう。こうなったら、有り金の幾らかを分け与えて、若隠居の別戸籍に…」

 

と、内々の相談は決まっているのだけれど、石之助本人は、上の空に聞き流していて、親の言うなりになる気は無いのだった。

 

 

 

「そうだなあ…分配金は一万円で。それとは別に、隠居後の月々のお小遣いを下さいよ!そうすれば、いたずらに、この家に出入りはしませんよ。しかしだ!もしも父上が亡くなった暁には、俺は妹たちの親代わりの身だ!

『兄上様』と崇めて、かまどの神様の薪一本の事でも、俺の言う事を聞くと言うのでしたら、是非とも(今は)別宅の主人になって、この家のためには働きませんとも!それで宜しければ、仰せの通りになりましょう!」

 

などと、どこまでも嫌がらせを言って困らせるのだった。

 

「去年に比べて長屋も増えているし、山村家の所得は倍になっているはずだよ…」

 

と、世間様の口から自分の家の様子を聞き知る石之助。

 

「おかしいぞ、おかしいぞ!その様に財産を増やして、一体誰の物にする気なんだ?火事は燈明皿(油・紐・皿を使った灯取り)からだって起こるものだぜ?惣領長男と名乗る火の玉が転がるとは思わんのかねえ?そんな金はすぐに巻き上げちまって、お前達に楽しい正月をさせてやるぜ!」

 

と言って、伊皿子辺りの仲間達を喜ばせた石之助は、すっかり大晦日を当てにして、当日の大酒のどんちゃん騒ぎの場所も決めずにいたのだった。

 

 

今日はここまでにします。

参考文献は、こちらです。

 

 

 

余談ですが、私個人は、

今回の石之助のセリフの部分を書いていて、

「戸籍」と言う制度について、いろいろ考えてしまいました。

 

義理の母と実父の、勝手な相談取り決めに対して、十五で不良になった石之助の、両親への反撃も興味深いです。

 

今回、文章を書いていて、こちらの歌が頭をよぎりました。

 

ハイスクールララバイ

ハイスクールララバイ

  • provided courtesy of iTunes

 

youtubeを検索していて、こんな動画を見つけてしまいました。

すごく嬉しい!お3人ともお元気そうで、嬉しい&懐かしい✨

使ってはいけない動画でしたら、すみません。


www.youtube.com

 

 

80年代に、萩本欽一さんのバラエティー番組で、

 

良い子・悪い子・普通の子 

 

というコントがありまして・・・その番組からでたヒット曲です。

 

個人的に、『大つごもり』の登場人物では

 

良い子 = お峯 と 三之助

悪い子 = 石之助

 

と言う、昔の価値観としての若者の描かれ方がされているなあ💦

 

と、感じています。

 

と・に・かっく と・びきっり の ♪

 

不良青年のレッテルを貼られている石之助の、両親に対する反骨精神に度肝を抜かれつつ・・・

改めて石之助は

 

100% どら息子〜  

 

と言う訳でも… ない… らしい… かな?

 

と思った私でありました。

 

お付き合い、ありがとうございました。