こんにちは!
今日は、昨年末にようやく観ました、こちらの映画について書きます。
カズオ・イシグロさんの小説が原作の映画です。
関連過去記事はこちらです。
The Remains of the Day (1993) ORIGINAL TRAILER [HD 1080p]
20世紀前半。スティーブンスは、英国の貴族、ダーリントン卿のお屋敷の執事として、長年仕えてきた。
二度目の大戦後、ダーリントン卿は、戦争に関する汚名を受けた後に死去し、その広大な土地・邸宅は、アメリカ人のファラディに落札される。
ファラディから、それまでの仕事ぶりを認められたスティーブンスは、引き続き屋敷の執事としての職務を任されたのだが、急速な時代・文明・価値観の変化の中で、今後の執事としての立場・行動に悩んでいた。
ファラディからの「気分転換」の勧めと、昔の仕事仲間であり、優秀な女中頭だったミス・ケントンからの手紙をきっかけに、スティーブンスは小旅行に出る事にする。
それは、ファラディ家の切り盛りのため、早急に優秀な人材補充の必要に迫られており、自分が信頼できる女中頭として、ミス・ケントンに仕事復帰を依頼しに行く・・
という大義名分のもと、昔、淡い恋心を抱いていた、ミス・ケントンと再会するための小旅行であった・・・
私は、まだ、原作は読み終わっていません。最近、読み始めたところです。
年末に、私は、こちらの小説は読み終わりました。
こちらを読み終え、「日の名残り」を読み始めて気がついたことは、二つの作品の共通点は、文章が、主人公の一人称によって、冷静に、知的に、忍耐強く、懇切丁寧に語られていく・・点かな・・という事です。
後、映画「日の名残り」を観終わって、わたしの脳裏をよぎった事があります。
執事という仕事に誇りと充実感を持つ一方で、スティーブンスは密かに苦悩する。仕事仲間である女性への、立場上も難しい恋愛感情、恋愛と仕事の両立への不安、同じく執事という仕事に誇りを持っていた、亡き父の残した言葉・・
わたしは、スティーブンス(アンソニー・ホプキンス)とミス・ケントン(エマ・トンプソン)のやり取りを見ていて・・思わずに入られませんでした。
このお二人のやりとりは、「ハリー・ポッター」シリーズでの
ロン と ハーマイオニー と
共通点が、あるのではないかなと・・
英国は 紳士・淑女 も ボーイズ & ガールズ も、
彼ら、彼女たちの様な傾向があるのだろうか・・と、感じました。
ロンは、仲良し三人組のハリーへの友情と、ハーマイオニーへの気持ちとで、悩んでいます。それは、ハーマイオニーも同じだったのでしょうか?
スティーブンスは、ご主人のダーリントン卿への忠誠心・執事という仕事への誇りと、ミス・ケントンへの気持ちの間で、葛藤しています。
有能で優しいミス・ケントンも、恋愛のことでは・・自分の方からアプローチはするものの・・やはり不器用です。
ダーリントン邸の執事&女中頭の二人も、
ホグワーツ・グリフィンドール寮の監督生の二人も・・
有能・勤勉で正義感・責任感が強く、真面目で、優しい・・のに、
ある部分で、非常に不器用、意地っ張り、頑な・・だなあ・・
と、思いました。
そしてですね。
私は、「カズオ・イシグロ」文学は、まだ2冊目の途中なのですが、思いました。
和訳でしか読めない私ですが、私は、とてもわかりやすい、読みやすい文章だなと思いました。
ストーリーの設定・展開等が、とても複雑で難しい部分があるにもかかわらず、わかりやすいのです。「わたしを離さないで」も、とても複雑なストーリーなのに、物凄く説得力のある文章だったと思います。
お時間と興味のある方は、ぜひ一度、「カズオ・イシグロ」ワールドを、文章で読まれる事をお勧め致します。
ありがとうございます。