こんにちは!
今日は絵本の紹介です
「おとうさんの ちず」ユリ・シュルヴィッツ作 さくまゆみこ訳
- 作者: ユリシュルヴィッツ,Uri Shulevitz,さくまゆみこ
- 出版社/メーカー: あすなろ書房
- 発売日: 2009/05/01
- メディア: ハードカバー
- クリック: 5回
- この商品を含むブログ (7件) を見る
私は、この本をたまたま入った小児科当番医院の待合室で、初めて読みました。
以来、ずっと気になっていました。ので、最近購入しました。
これは、作者が幼少時の実際の体験を絵本にしてくださった作品です。
第二次世界大戦によって、祖国(ポーランド・ワルシャワ)離れ、中央アジアのトルキスタン(現在のカザフスタン)で暮らしていた頃のことが描かれています。
粗末な部屋で、よその家族と一緒に暮らさねばならず、お金も食料もない状態。
ある日、作者のお父さんは、なけなしのお金を持って、パンを買いに市場へ行くのですが、お父さんが買ってきたのは、食べ物ではなく、大きな一枚の世界地図だったのです。
おとうさんは「あのお金では、(パンを買っても)おなかをだますことさえできそうになかったよ」と言いました。そのかわりに、ちずを買ったのです。
私は、このおとうさんて、すごいな…と、いつも思います。
私の両親も戦争で衣食住、青春時代を奪われた人たちです。そして、戦争は、私の母に強力な価値観を植え付けました。そして母は、その価値観、教訓を、(戦争と飢えを知らない)娘にも植え付けようと尽力しました。
「衣食住が足りていれば、それだけでありがたいと思え」
「それ以上のものを望むな」
「芸術は贅沢品だ」(一理あるとも思います💧)
「夢を持つことは大それたことだ」
「芸術で飯は食えない」
「身の程を知れ」
「平凡が一番」
私は、こうした教訓を素直に受け入れられない悪い娘でした。
私は、物質的には、何不自由なく養ってもらいました。
でも、いつも、別のものに飢えていました。
それは
「理解されること」
「生きる目的」
「やってごらん」と応援されること
今のブログ・タイトルを決める時、この絵本のことを思い出しました。
確かに、私は、衣食住を奪われた恐ろしさを知りません。
でも、心の飢えの恐ろしさは、少なからず経験しているつもりなのです。
そんなわけで、こんなブログタイトルにしてみました。
お付き合いありがとうございました。