こんにちは!
今日は、東野圭吾氏の推理小説「容疑者Xの献身」と、その映画版について書きたいと思います。
私は、先に映画を見て、それから原作を読みました。
映画に、特に(福山雅治さんももちろんですが)堤真一さんの演技に、ひどく感動してしまったからです。
《あらすじ》
数学の天才でありながら、不本意にも高校教師となった石神。彼はアパートの隣人、花岡靖子に、密かに惹かれていた。靖子は、弁当屋で働きながら娘の美里と二人、健気に暮らしている女性であった。
ある晩、靖子の元夫の冨樫が、彼女達の部屋に現れる。彼は離婚後も、彼女達を見つけ出しては精神的、経済的に苦しめていた。その日も、冨樫からひどい仕打ちを受けた母娘は、お互いを助けようと、無我夢中で冨樫を絞殺してしまう。
鋭い洞察力で彼女達の犯行を見抜いた石神は、すぐに隣家を訪れ、花岡母娘に、犯行の後始末と、彼女たちが警察に疑われないための協力を申し出る。
その後、全裸で、顔を潰された死体が発見される。警察はその死体を冨樫と断定し、彼の元妻である花岡靖子にも捜査の手を伸ばす。警察を欺くため、密かに連絡を取り、彼女達に細やかな指示と助言をする石神。
そんな中、かつて大学の親友だった湯川学が、突然石神の部屋を訪れる。「ガリレオ」こと湯川学は、天才的頭脳の石神が、容疑者女性の隣人であることを知り、この事件に興味を持ったのだった。
湯川が現れたことで、石神が企てた完全計画は、少しずつ狂っていく。
私は、映画を観て涙し、原作を読んで、さらに号泣しました。
原作での「石神」の外見的イメージは、私個人の頭の中では、すっかり「巨人の星」の左門豊作(名前違ってたらすみません💦)になっています。
そして私は、この作品を読んで、前記事に書いた「二都物語」のシドニー・カートンの事を思い出しました。
そしてなんとなく、東野圭吾氏は、「二都物語」がお好きなのではないかな…と、感じました。
ディケンズ氏の「二都物語」、東野圭吾氏の「容疑者Xの献身」。
二つの作品は、舞台も時代もストーリーも結末も、全く違うのですが、私は、
「石神」には「シドニー・カートン」と同じスピリッツ…と言いましょうか、
何か共通するものがあると感じました。
自分の人生に絶望しそうだった時に、一人の女性と出会えた事によって、その絶望から救われた彼らは、その女性の存在に、心から感謝する。しかし自分には、伴侶として彼女を幸せにすることはできないと自覚しており、不器用ながら、陰ながら、彼女の生活を見守る道を選ぶ。生涯でただ一人の女性を一途に愛し、彼女の幸せを見守り、彼女が絶望の淵に立たされた時は、自分の人生と引き換えにでもその女性の幸せを守ろうとする。
そういう愛し方が、共通しているように、私は感じました。
そんな訳で、今日は、この小説と映画について、是非とも書いておきたいと思いました。
お付き合いありがとうございました。